COLUMN
2021.12.24
暴飲暴食の肌荒れ予防。
年末年始の身体リセット!
年末年始は、家族や友達と集まって過ごすことも多いでしょう。ついつい羽目を外して、食べすぎたり飲みすぎたりしてしまうことも…。
「身体の調子が崩れてから、肌も荒れてしまった!」 誰もが一度は、このような経験があるかもしれません。
年末年始の不調に対して、どのような予防や、アフターケアが効果的なのでしょうか?食による健康維持増進に関わる教育研究に携わる、山下先生にお伺いしました。
神戸大学大学院農学研究科 生命機能科学専攻応用生命化学講座 准教授
山下 陽子 先生
管理栄養士の資格を持ち、食による健康維持増進に関わる教育研究に従事している。専門は、ポリフェノールなどの健康効果を解明する食品の機能性研究。また、食文化の継承を目的とした食育活動なども実践している。
暴飲暴食をした時、身体にはどんな影響がでる?
食べ過ぎの影響
油の多いものを食べすぎると脂肪細胞が肥大化し、防衛反応で炎症を生じます。これは、身体に悪影響があるので一刻も早く代謝を促したいところ。
油を代謝して使うにはビタミン類が必要です。効率的に栄養をとって代謝を助け、身体への負担を減らすことが重要です。
飲酒の影響
飲酒をすると、肝機能に悪影響を及ぼしたり、二日酔いになるイメージがありますよね。
その原因となるのはアセトアルデヒドという物質です。お酒が肝臓で代謝される時に生まれる「代謝産物」です。
アセトアルデヒドは身体にとって毒で、これが全身を巡ると、細胞のターンオーバーを妨害して潰してしまいます。
それでは困るので、人間の体はそれを無毒化しようと頑張ります。全勢力をそれに集結するので、通常の新陳代謝が回らなくなり、肌にも影響を及ぼします。
同じお酒の量を飲んでも、若い時と年齢を重ねた時では違いがあります。
年齢を重ねるほど、新陳代謝の能力、スピードが落ちてしまうので、年齢が上がるほど回復力は落ちてしまいます。
お酒を飲むときのひと工夫
お酒を飲まない方が良いと分かっていても、親しい人との飲食は我慢せずに楽しみたいですよね。
飲酒を全面的に禁止するのではなく、上手な付き合い方で身体への悪影響を最小限にしましょう。
【食事で予防】二日酔いになりにくい料理選び
同じ量のお酒でも、食べ合わせによって身体への影響を和らげることができます。
お酒と一緒に食べるなら、お鍋がおすすめです。また、細胞の代謝を活性化するクエン酸を摂取するのも効果的。
クエン酸は、柑橘系の果物に多く含まれます。
【アフターケア】うっかり飲んでしまった!その後の身体ケア
アセトアルデヒドを無毒な酢酸に変えるために、身体の中では役立つ物質が続々と作られます。
その機能を活性化させることが、身体の助けになります。
ウコンのクルクミンや、大根、カイワレ、玉ねぎ、ニンニクに含まれるツンとする成分が効果的。
クルクミンは常習すると逆にダメージを与えるので、大根などがおすすめです。
食物繊維やβグルカン(きのこに多く含まれる食物繊維)も良い効果をもたらすと報告があります。
体調を取り戻すには「発酵食」がおすすめ
食べると腸内細菌叢(腸内フローラ)を改善してくれる「発酵食」。実は、食べすぎや飲み過ぎで弱った身体に効果的です。
日本人はずっと米中心の食生活をしてきたので、植物性の乳酸菌との相性が良い身体をしています。
和食の基本であるご飯とお味噌汁がおすすめです。それらが用意できない場合も、1日1回は汁物を取るのがおすすめ。
熱を通しているので消化に良く、スープに溶けた栄養素を逃さない最適な料理です。
身体を労りリセットすれば、連動して肌の調子も向上します。
年末年始を楽しく美しく過ごすために、食生活に工夫を取り入れてみませんか。
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