COLUMN
2022.03.04
身体の巡り改善で、乾燥しやすい季節も「満ち肌」に。
東洋医学の肌ケア【血の巡り編】
シワ・シミ・乾燥といったトラブルが起こりやすい、不安定な肌に悩まされてはいませんか?
そんな時、肌の内側では水分保持ができなくなり、バリア機能が低下しています。
身体状態を把握して適切なケアを行うことが、回復への近道です。
今回は、近藤治療院 鍼灸部の鳴島 友理先生に、東洋医学の観点で肌ケアのアドバイスをいただきました。
近藤治療院 鍼灸部 院長 鳴島 友理先生
”0歳から大人まで”通えるアットホームな鍼灸院「近藤治療院 鍼灸部」の院長。「小児はり」を使って子育ての”困った”を解決する他、「大人の体ケア」や「美容はり」の施術も行う。家族みんなが笑顔で頑張れるように、東洋医学の観点からサポートする。
東洋医学で考えるお肌の「うるおい」
東洋医学ではこの肌の保湿バリア機能に影響するのは体を巡っている「気・血・水」の中の「血(けつ)」が深く関係しているといいます。
これは肌の潤いだけでなく、髪の毛や筋肉・骨・感情にも影響しており、「血」を整えることは美しさを保つことにつながります。
そんな「血」についてわかりやすく解説しますので、シワ・シミ・乾燥に悩んでいる方はぜひ最後まで読んで、美しくなるポイントを知ってくださいね。
「血(けつ)」とは?
東洋医学でいう「血(けつ)」とは、いわゆる血液のこととは違います。
「血」は栄養豊富な液体であり、それを運搬する機能であり、さらに感情のバランスを整える働きもあると考えられています。
例えば、イライラすることを「血がのぼる」と言ったり、興奮しているときに「血が騒ぐ」と言ったりするのは
この「血」の概念が慣用句になっています。いわれてみれば馴染みがある概念ではないでしょうか?
「血(けつ)」は何から出来る?
「血」は私たちが食べた物から作られる、栄養をたっぷり含んだ液体だと考えられています。
滋養に満ちた液体が身体のすみずみまで運ばれて、体中を潤しています。
「血」が不足したり、巡りが悪くなると、肌が乾燥したり、シワやシミができやすくなります。
髪の毛がパサついたり、白髪が増えることや筋肉が衰えたり骨粗しょう症になるのも「血」の不足による影響です。
月経やホルモンバランスもこの「血」の働きが関係しています。
また、「血」は感情にも影響を与えるので、不足するば落ち込みやすくなりますし、巡りが悪いとイライラしたり、怒りっぽくなります。
お肌の潤いにとってなくてはならない「血」の働き。外側からの保湿に加えて、体の内側からも整えていきましょう。
巡り改善で「満ち肌」になる!3つの習慣
日頃の生活習慣で少し心がけるだけで、身体の巡りを良くし、
素肌を満ち肌に導くことができます。
01.バランスの取れた食事を心がける
女性は月経や出産などライフサイクルの中で「血」が不足する機会が多いため、
栄養たっぷりの食事で「血」を充実させることがとても大切です。
Point! 栄養バランスを考えた食生活
特に意識して食べてほしいのは“赤色と黒色の食べ物”。
例えば赤身の肉、ニンジン、トマトや海苔、ヒジキ、黒ゴマ、黒豆など、
鉄分やミネラルやポリフェノールを豊富に含む食材がおすすめです。
02.運動と睡眠をバランス良く
「血」の巡りが悪いとねばねばと塊になり「於血(おけつ)」という状態になります。
「於血」は病気や不調の温床になると考えられており、お肌のシミやくすみ、クマの原因になります。
この他にも生理痛や肩こりや頭痛の原因にもなることも。
「於血」を取り除けば透明感のあるお肌や、疲労感のない体を手に入れられますよ。
Point! 「於血」を溜め込まない習慣づくり
「於血」を取り除くためにはストレスを減らすこと、
ストレッチなどの軽い運動をして全身の巡りを良くすることが大事です。
睡眠をしっかりとることも「於血」を取り除くのに効果的ですよ。
03.身体を温める
巡りが良い体は体温が高いのが特徴です。ですので、体温が上がるような習慣を心がけましょう。
Point! 身体を温める&冷やさない暮らし
お風呂にゆっくり浸かる、軽い運動をする、服装に気を付けて体を冷やさないようにしましょう。
食事の面では“地下で育つ”ものや“寒い地域で育った”温性の作用を持つ食べ物がおすすめです。
例えば、ニンジン・大根・レンコンやリンゴ・サクランボ・羊肉・エビです。
ショウガや唐辛子などの香辛料も体を温める作用があります。
巡りを良くして、美しい「満ち肌」で暮らす
いかがでしたでしょうか?日頃の暮らしを振り返ってみて、「血」が不足するような偏った食生活や無理なダイエットはしていませんか?
ストレスを抱えながら頑張り続けていたり、運動不足・睡眠不足になってはいないでしょうか?
暮らしを見直して整えていくと、体の中では「血」が充実し、肌が本来持つ保湿バリア機能を発揮できるようになります。
「血」は体調だけでなく、感情にも影響を及ぼします。この性質は、上手に利用することも出来ます。
心がときめくようなことを経験すると「血」はそれだけで充実し、巡りが良くなります。
ときめくようなこと、わくわくするようなことを積極的に生活に取り入れていくことは、健康的な美しさへと繋がりますよ。
ぜひ人生に“ときめき”を取り入れてくださいね。
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